スカイラインGT-Rの歴史はプリンスが日産自動車に合併されたときに始まった

GTR R35 ハコスカ

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世界の自動車市場でハイスペックカーの1つに数えられる日産・GT-R。その原点とも言えるスカイラインGT-Rの歴史を、スカイラインの名を外した現在まで見てみましょう。「羊の皮を被った狼」のキャッチフレーズは、GT-Rの前身であるプリンス自動車の車から引き継がれたのです。

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目次

通称・箱スカGT-RのPGC10型/KPGC10型

ハコスカ スカイライン

flickerより出典

スカイラインGT-Rの歴史は箱スカに始まります。箱スカの名は、箱型セダンのボディに始まったことからそう呼ばれていました。直列6気筒DOHC24バルブ・2.0LのS20型エンジンは、有鉛ハイオクガソリンを燃料として160PSを7,000回転で生み出す、当時としては非常にハイスペックなものでした。このエンジンは、もともと純粋なレーシングカー用であったGR8型エンジンを、公道用にデチューンしたものだったのです。このGT-Rは走りに徹したため、贅沢な装備は一切付いていません。驚くべきことにカーラジオすらオプション装備だったのです。その車の発売価格は154万円、大卒初任給が3万円ちょっとだった時代ですから感覚的には現在の1,000万円くらいでしょうか。

箱スカGT-Rは、スカイラインの4ドアセダンのボディに、プリンス・R380と言うレーシングカーのエンジンをベースにしたS20型エンジンを積んだのが始まりです。公道用にデチューンしてあるとは言え、レーシングエンジンを搭載したのですから1969年の発売当時としては異例中の異例だったのだと思われます。

ハコスカ スカイライン

flickerより出典

悲運のGT-R・ケンメリGT-Rはたった3か月で幕を閉じた

ケンメリ スカイライン

flickerより出典

GT-Rの2代目に当たるKPGC110型、通称・ケンメリGT-Rは1973年1月から4月の実質3か月間しか販売されませんでした。これはアメリカの大気浄化法、通称マスキー法の数値をクリアできないという見込みからの判断で、最終的に200台弱の販売に終わり、レースにも参戦できなかった幻のGT-Rと言うべきモデルです。皮肉なことにこのマスキー法はアメリカのビッグ3ですらクリアできず、最初にクリアしたのがホンダで次がマツダということになってしまったことから、実質上骨抜きになり有名無実化したのです。なお、今でもGT-Rのシンボルマークのようになっている丸型4灯のテールランプはこの代から採用されています。

このモデルのGT-Rはオーバーフェンダーが標準装備されています。当時は車に関する規制が厳しく、オーバーフェンダーと言うのは車好きの憧れでもあったので、大変魅力的なモデルでした。このモデルのGT-Rではないスカイライン、「ケンとメリーのスカイライン」が社会現象となるほど人気を博したのに比べると、GT-Rがたった200台弱で歴史から消えて行ったのはもったいないと言えます。実際、スカイラインの方はスカイライン・ジャパンに引き継がれる1977年まで、67万台も売れるほど大活躍していたのです。

ケンメリ スカイライン

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16年ぶりに復活したGT-R・BNR32型は2.6リッターターボの強力な車

日産 スカイライン R32 国産スポーツカー

Wikipediaより出典

1973年に途絶えたGT-Rの名前は、1989年8月に復活しました。R32型と通称されるこのGT-RにはATTESA E-TSと言う名前のトルクスプリット型4輪駆動が搭載されています。また、前後輪のトルク比率を50:50から0:100まで後輪駆動中心に変化させられる4WDとなると同時に、Super HICASと言う名前の4輪操舵装置も搭載されました。初期のころはハードな走行をした場合に、フロントヘビーな荷重配分が原因でブレーキ性能が追い付かないという現象が起こったりもしました。そのため、マイナーチェンジで投入されたVスペックモデルではブレンボの大型キャリパーが採用されています。

エンジンはRB26DETTのツインターボエンジンで、当時規制最高値の280PSを叩き出しています。変速機もそれに十分耐えるものが使われていますが、操作パターンは箱スカ時代から変わらず5速MTでした。エンジン形式から判るように、このエンジンの排気量は2.6Lです。これは当時の全日本ツーリングカー選手権のレギュレーションに合わせるために設定された排気量になります。

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4代目のBCNR33型には4ドアセダンも復活した

R33 スカイラインGT-R

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スカイラインGT-Rは、箱スカの初期型に4ドアセダンモデルがありましたが、それ以降は2ドアクーペが基本の車体構造です。この通称R33・GT-Rには、オーテックバージョン 40th ANNIVERSARYとして4ドアセダンのモデルも登場しました。出力は自主規制があったので280PSに抑えられていたものの、トルクは向上しています。また、車好きの間では有名な情報だったのですが、この頃の自主規制対応は排気管でパワーを抑えたり、パワーリミッターを搭載したりすることで最高出力を絞っていました。そのため、部品を社外品と交換するなどして出力抑制を外してしまえば、実測値でも400PSを超えるような状況で、自主規制は完全に有名無実化していたのです。

このGT-Rを最初に見た時に感じるのは、3代目に比べると一回り大きくなったということでしょう。実際数字の上で見ても全幅が25mm、全長が125mm、全高が20mm大きくなっています。さらに、各部が補強されているため車重も100kgほど増えているので、エンジンもエンジンコントロールユニットの16ビット化や過給圧のアップなどで強化され、トルクが大きくなっています。

R33 スカイラインGT-R

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最後のスカイラインGT-R・BNR34型は6速ミッションを搭載した

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スカイラインの名を冠したGT-RはこのBNR34型が最後になります。1999年に登場し2002年まで販売されたこのモデルは、エンジン出力こそ自主規制値の280PSを遵守していますが、最大トルクはついに40.00kgf·m/4,400rpmと40kgの大台に乗せてきています。また、変速機はゲドラグ社との共同開発による6速トランスミッションが採用されています。タイヤはスカイラインGT-Rとしては最大の245/40ZR18を採用しています。そして、スカイラインGT-Rは2002年12月に再びその歴史を中断します。次に登場するのは5年後の2007年、しかもスカイラインの名を持たないGT-Rとしての再登場となるのです。

前の型で大型化した車体は不評だったこともあって、このモデルでは少し短くなっているのが特徴です。さらに、サイドエアバッグやイモビライザーが選択できるようになったのもこのモデルからです。その他、特徴的なメカニズムとして、バックギアにシンクロ機構が採用されたことも挙げられるでしょう。そして、このモデルにはスポーティさより乗り心地を重視して足回りのセッティングを変更し、ヒーター付きシートや専用ステアリングホイールを採用したMスペックと言うグレードも設定されています。

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スカイラインから独立したGT-Rはイヤーモデル制

GT-R R35

GT-Rは5代目スカイラインGT-RであるBNR34型の後継で、R35型としてデビューしました。しかし、中身はそれまでのスカイラインとは全く異なるものになっていたのです。2007年のデビュー当時ですら、3.8L-V6 ツインターボのVR38DETT型エンジンは、353kW(480PS)と言う強烈な数字を出しています。しかし、2014年から販売されている当時ニュルブルクリンク北コースの最速ラップタイムを記録したNISMOモデルは、441kW (600PS) と言うとんでもない数字を叩き出しているのです。このGT-Rはイヤーモデル制と言ってR35型の部分がモデルチェンジするのではなく、毎年改良を行って行くスタイルをとっています。

もちろんいずれはベースがフルモデルチェンジされR36型になるでしょう。世間では2021年ごろのモデルチェンジではないかと噂されています。仮にそれが正しいとしても、メジャーモデルが14年も継続するのは異例と言えるでしょう。現在の新車価格は1,000万円から1,300万円ぐらいです。大変高価な車ですが、最初に紹介した通り初代のスカイラインGT-Rも当時の感覚では大変高価な車でした。日産自動車自身もGT-Rにはそれだけの値打ちがあると判断しているのでしょうし、それに見合うだけの技術を投入しているのでしょう。

GT-Rは日本が世界に提供できる最高級スポーツカー

GTR R35 ハコスカ

flickerより出典

もはや伝説の世界で、カウントの方法にも諸説ありますが、それでも初代のスカイラインGT-Rはレースで50連勝した車です。現在のGT-RもスーパーGTやFIA-GTに参戦し数々の戦績を残しています。スカイラインの時代からGT-Rは日本が誇るスポーツカーであることは言うまでもありません。きっと、これからも日本を代表するGTカーであり続けることでしょう。

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